筋トレをすると使えない筋肉が付く?

昔からよく「筋トレをすると使えない筋肉が付く」だとか「筋肉を付けすぎると動きが鈍くなる」なんて言われることがあります。

しかし、結論から言うとそれは大きな誤解であり、筋トレで付けた筋肉が「使えない筋肉」なのではなく、筋トレで付けた筋肉を「使えていない」だけなのです。

この記事では「筋トレをすると使えない筋肉が付く」と言われる原因と、筋肉を上手く使うためにはどうしたらよいのかについて解説していきます。

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筋肉はどちらも同じもの

「筋トレで付けた筋肉は使えない筋肉で、スポーツで付いた筋肉は使える筋肉だ」と言われることがありますが、結論から言うとこれは大嘘です。どちらで付いた筋肉も同じ組成を持った、ただの筋肉に過ぎません。

そもそも筋肥大とは、筋肉に強い負荷が掛かったときに身体が起こす適応反応の一つです。筋肉は速筋繊維と遅筋繊維という2種類の筋繊維で構成されていますが、強い負荷に適応しようとして瞬発力に優れた速筋繊維が太くなっていくわけです。

スポーツを始めてすぐの頃は、身体がスポーツの動きに慣れていなくて筋肉に無駄な力が入ってしまいがちなため、筋肉に強い負荷が掛かり多少筋肥大することがあります。しかし競技に慣れ、筋力が付いてくるとスポーツで掛かる相対的な負荷が下がるため、それ以上の筋肥大は望めなくなります。

一方、この適応反応を利用して筋肉に漸進的に強い負荷を掛けていくことで、最も効率的に筋肥大させるトレーニング方法こそがウェイトトレーニングです。その効率に差はあれど、どちらも負荷に対する適応反応で速筋繊維が太くなった結果であり、筋肉としては同じものなのです。

なぜ筋トレで付けた筋肉は「使えない」と言われるのか

では、なぜ全く同じ筋肉であるのに筋トレで付けた筋肉は「使えない」と言われるのでしょうか。その原因は主に2つあると考えられます。

原因1.スポーツと筋トレの動作の特性の違い

スポーツにおける動作のほとんどは、上半身と下半身を連動させて爆発的なパワーを発揮するような動きがほとんどです。野球における投球やサッカーのキック、ラグビーのタックルなど、スポーツにおける重要な動きはどれも全身運動なのです。

一方、筋トレにおける正しい動作とは対象とする筋肉にピンポイントで効かせる動きです。胸なら胸だけ、腕なら腕だけといった具合に、パーツごとに分けて個別に鍛えていきます。この『特定の筋肉に効かせる動き』というのが癖になってしまうことで、スポーツでのパフォーマンスに悪影響を及ぼすのだと考えられます。

つまり筋トレで付けた筋肉が「使えない筋肉」なのではなく、全身を連動させてパワーを発揮するトレーニングを積んでいないために、付けた筋肉を「使えていない」だけなのです。

原因2.筋量に対して発揮出来るパワーの違い

筋肉は仮に同じ太さであっても、神経系の発達具合によって発揮出来る「筋力」と「パワー*」は変わってきます。最大筋力は高重量を用いた筋トレで、パワーは軽い重量を素早く持ち上げるような筋トレやクイックリフト等で向上させることが出来ます。

*力×速度のこと。

筋トレをしておらず筋量の少ない人の場合、スポーツ競技の中で加わる刺激が相対的に大きくなるため競技練習だけでもパワーがある程度向上するのですが、筋トレにより筋量が多くなると競技によって加わる負荷が相対的に小さくなるために、競技練習のみではパワーの向上をさせることが難しくなります。

そうなると筋量に対して発揮出来るパワーは前者の筋トレをしていない人の方が大きくなるために、「筋トレで付けた筋肉は使えない」と言われてしまうという訳です。

これも結局は筋トレで付けた筋肉をうまく「使えていない」ことが原因となっています。

どうすれば筋肉をうまく「使える」ようになるのか

では、筋トレで付けた筋肉をうまく使うためにはどうすれば良いのでしょうか。世のスポーツ選手が多く実践している方法は、クイックリフトやプライオメトリクス等の瞬発力と身体の連動性を向上させることを目的としたトレーニングです。

これらのトレーニングは筋肉の性能を限界まで引き上げてくれると共に、全身の力を上手く使うトレーニングにもなり、先ほど挙げた2つの原因を共に解決してくれるものです。

また、当然ですが競技練習に時間を割くことも大切です。筋肉が付くことでパワーも付きますし、重心の位置なども変わってくるので、日々の競技練習でフォームを修正していかなければなりません。筋肉をうまく使うためには、その競技に必要な動作を反復練習することはとても大切なことです。

まとめ

「筋トレをすると使えない筋肉が付く」といのが単なる迷信だと分かってもらえたと思います。筋トレで付けた筋肉が「使えない」のではなく、それを上手く「使えていない」だけなのです。

筋肥大させて筋力のベースアップを図るのも大切ですが、クイックリフトやプライオメトリクス等の競技力を向上させるトレーニングも取り入れるようにしましょう。また、筋肉が付くことで生じる動きのズレを、日々の競技練習で修正していくことも大切です。

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