特異性の原則

トレーニングにはいくつかの原則が存在しますが、その中でも重要度が高いものとして「特異性の原則」というものがあります。目的に合ったトレーニングを選ぶためにはこの特異性の原則を理解しておく必要があります。

要は「この世に万能なトレーニングなんて存在しない」という話なのですが、もう少し詳しく解説していこうと思います。

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特異性の原則とは?

特異性の原則とは「1つのトレーニングが持つ強い生理学的効果は1つである」というものです。例えば、筋持久力を鍛えるトレーニングを行った場合、得られる効果は筋持久力の向上であり、筋力やパワーの向上ではありません。

同様に、筋力を高めるためのトレーニングを行った際に得られる効果は筋力の向上であり、スポーツの競技力向上ではありません。筋トレにしても、1つの種目で鍛えられる部位は基本的に1つであり、それ以外の効果を求めてはいけないのです。

1つのトレーニングについて「このトレーニングにはこんな効果もあるし、あんな効果もある」という説明がされることは多いですが、そういったものは過剰な宣伝であると言えます。

万能なトレーニングは存在しない

トレーニングの中には一見複数の効果を持ってそうなものもありあります。筋力もつくしそれなりの筋持久力もつくもの、あるいは筋持久力もつくしそれなりの筋力もつくものなどです。

具体的にはサーキットトレーニングで、筋力向上にやや重きを置いてメニューを組み立てれば、筋力がそれなりについて、筋持久力や全身持久力もそれなりに向上する効果は期待できます。

このように、やりようによっては複合的な効果を得ることは確かに可能ですが、1つ1つの効果は専門的なトレーニングに比べると落ちてしまいます。筋力も向上して、筋持久力も鍛えられて、全身持久力も向上して・・・というような万能なトレーニングは存在しないのです。

同じ種目でも、可動域や動作速度に特異な効果が出る

特異性の原則は、かなり細かい部分にも適用されます。同じ種目、同じ回数設定であっても、可動域や動作の速さにより効果は異なるのです。

例えば、垂直跳びの記録向上のためにスクワットをトレーニングに組み込む場合、垂直跳びで使う関節の可動域と近いクウォータースクワットを行うのが垂直跳びの記録を最も向上させます。[1]

逆に、垂直跳びで使う関節の可動域を大きく超えたフルスクワットでは、ほとんど垂直跳びの記録は向上しません。[1] これは同じスクワットという動作であっても、それぞれの可動域に特異な筋力の向上が起こるということを示しています。

同様に、同じ種目であっても動作速度を変えたり、エキセントリック重視のトレーニングを行ったりすることで、それぞれの動作に特異な効果が得られます。[2,3]

つまりトレーニングをする際は「目的にあったトレーニングを選ぶ」ということが非常に重要になってきます。

目的にあったトレーニングを選ぶ

万能なトレーニングというものは存在しないので、結局は「何に重点を置いてトレーニングするか」という問題になります。トレーニングを行う本人が、今の自分に何が必要で、どんなトレーニングが必要なのか考えることが重要です。

例えば、下半身全体の筋力不足を感じているなら、スクワットのように下半身全体を鍛える種目を選び3~5RMの高強度のトレーニングを行う、というのも一つでしょう。また、脚の筋肉の中でもハムストリングスにフォーカスしてレッグカールをメインに行うのもありです。

どんなトレーニングも一長一短なので、その特徴をちゃんと知って、目的にあったトレーニングを選ぶようにしましょう。

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