筋肥大を引き起こす5つの要因

筋トレをすると筋肥大が起こりますが、筋トレの何が筋肥大を引き起こしているのかは完全には解明されていないのが現状です。しかしその候補とされる要因はいくつか存在しており、現在そのうちの5つが主要な要因だと考えられています。

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筋肥大を引き起こす5つの要因

筋肥大を誘発するストレスには、いくつかの要素があり、主に次に挙げる5つの要因が、複雑に絡み合っていると考えられています。

  • 1.メカニカルストレス
  • 2.筋繊維の損傷・再生
  • 3.無酸素性代謝物の蓄積
  • 4.低酸素環境
  • 5.ホルモン・成長因子

1.メカニカルストレス

メカニカルストレスとは、力学的な刺激のことです。強い力に対抗したり、それに耐えたりするための適応反応として筋肉は太くなるので、メカニカルストレス抜きにして筋肥大は語れません。

メカニカルストレスが加わり、筋肉が大きな張力(筋力)を発揮すると、それがストレスとなって、筋肉を肥大するシグナルを送ります。逆に筋肉にストレスがかからない環境では、筋肉が細くなっていきます。これは無重力空間で生活する宇宙飛行士の筋肉が著しく細くなってしまうことからも分かるでしょう。

大きな負荷が筋肥大に繋がる要因として、速筋繊維の動員が考えられます。筋繊維は瞬発系の『速筋』と持久系の『遅筋』に分けられますが、速筋の方が肥大しやすいため、いかに速筋を動員するかが筋肥大のポイントとなります。

人間の身体は力を発揮するとき、遅筋から順番に動員する仕組みとなっているため、弱い負荷しかかかっていないときは、遅筋しか動員されません。そのため力の弱い遅筋では対応しきれないぐらいの強い負荷を加えて、速筋を動員する必要があるわけです。

2.筋繊維の損傷・再生

大きな負荷に対する筋収縮によって、筋肉には微細な損傷が生じます。この損傷も筋肥大を促すシグナルとなります。これは損傷によって起きる免疫反応なども経て、筋繊維の元になる筋サテライト細胞の増殖が促されるためです。筋肉痛が起きているときは、筋肉が損傷して筋肥大が促されている状態と考えてよいでしょう。

筋繊維の微細な損傷および筋肉痛は、筋肉が力を発揮しながら無理やり引き伸ばされる状態(エキセントリック収縮)で起こることが分かっています。これは筋トレでいうとバーベルを下げる動作に当たります。意外に思われるかも知れませんが、実は筋トレは『バーベルを上げる動作』よりも『バーベルを下げる動作』の方が筋肥大の効果は大きいのです。

3.無酸素性代謝物の蓄積

筋トレは、速筋繊維をメインに使う無酸素運動です。無酸素運動を行うと、乳酸やイオン、一酸化窒素など、無酸素性のエネルギー供給に伴う代謝物が体内に蓄積します。これらの代謝物が、テストステロンやIGF-1(インスリン様成長因子)といった、筋肥大を促すホルモンを分泌するシグナルとなっているのです。

換言すれば、『乳酸がたくさん出るような運動をすれば、筋肉を肥大させるホルモンの分泌が多くなる』ということです。トレーニングをした後に一時的に筋肉が膨れ上がる『パンプアップ』を経験したことがある人も多いでしょう。この『パンプアップ』は乳酸などの代謝物が蓄積することで起こります。

軽めの負荷を用いて、反動を使わずにじっくりと高回数で効かせるトレーニングは、代謝環境を過酷にすることをメインにした方法と言えます。この方法ではメカニカルストレスや筋損傷は小さくなりますが、代謝物蓄積に伴うパンプアップが強く起こり、ホルモンの分泌は盛んになります。

4.低酸素環境

トレーニングで筋肉を低酸素状態にすることも筋肥大を誘発するシグナルとなります。筋肉も生きた細胞なので、常に栄養や酸素を血液から取り込まなければなりません。しかし筋肉は力を入れると膨らんで硬くなり血管を圧迫し、血流を遮ってしまいます。力を入れる度合いが高いほど遮断の度合いも高く、筋肉内が低酸素状態になります。

この低酸素状態そのものがシグナルとなって脳に伝わり、筋肥大を促すホルモンを分泌させていると考えられます。これをうまく利用したものが加圧トレーニングです。加圧トレーニングは腕や脚にベルトを巻くことで、血流を制限して酸素環境を悪化させ、ホルモンの分泌を促しているのです。

また、筋肉が低酸素状態になると、低強度の負荷でも速筋繊維が優先的に使われます。酸素が少ないと、酸素を使ってエネルギーを代謝する遅筋繊維が動員されにくくなるためです。これにより、乳酸などの無酸素性代謝物の蓄積も引き起こします。

このように、筋トレの最中には、出来るだけ低酸素状態を維持し、選択的に速筋繊維を使っていくことが有効です。

5.ホルモン・成長因子

これまでの4つの要因に共通するのは、体内の環境を把握・調節して、様々なホルモンや成長因子の分泌を上手に促している、という点です。その結果が筋肥大へと繋がっていくのです。つまり、ホルモンや成長因子を上手に操ることも筋肉を肥大させるポイントなのです。

筋肥大を促す代表的な物質としては、テストステロン(男性ホルモン)やIGF-1(インスリン様成長因子)などがあります。これらは筋トレのやり方によって分泌量が増減します。例えば、同じ重さ、回数、セット数であってもセット間のインターバルが違うだけで分泌量に差が出るのです。

インターバルが1分の場合と3分の場合で、成長ホルモンの分泌量をを比較した研究では、なんと1分の場合は3分の場合の5倍以上成長ホルモンが分泌されたという研究結果があります。厳密には成長ホルモン自体は筋肥大を促すわけではありませんが、成長ホルモンが多く分泌されるようなトレーニングを行うと、テストステロンやIGF-1も多く分泌されると考えられるため、1分のインターバルというのは筋肥大に非常に有効であると考えられます。

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