クイックリフトは爆発的筋力(筋力×スピード)発揮能力の養成を目的としたトレーニングで、多くのスポーツ選手が取り入れている方法です。
BIG3と並び、スポーツ選手にとって必須の種目と言えるでしょう。
目次
クイックリフトとは
クイックリフトとは、スナッチ、ジャーク、クリーンの3種目を指します。これらはバーベルやダンベルを文字通りクイックに持ち上げてそれをしっかりと受け止める動作になっており、瞬発力を養成するのにうってつけの種目です。
これを極めたのがウェイトリフター(重量挙げの選手)で、彼らはスポーツ選手の中で最もジャンプ力とダッシュ力が優れていると言われます。つまりクイックリフトは瞬発力が必要とされる競技者にとって欠かせないトレーニングなのです。
クリーン&ジャーク
スナッチ
クイックリフトの効果
クイックリフトには主に次のような効果があります。
- 瞬発力(ジャンプ力、ダッシュ力等)の向上
- コーディネーション能力(全身の連動性)の向上
瞬発力
瞬発力は「速く走る」、「高く飛ぶ」、「遠くに投げる」といったスポーツ全般に必要とされる力です。具体例を挙げると
- ラグビーのタックル
- 野球のスイング
- テニスのサーブ
- バスケットのジャンプ
これらは全て瞬発力が必要な動作です。クイックリフトはこういった瞬発力が必要な動作全てを強化してくれます。
コーディネーション能力
クイックリフトはコーディネーション能力を高めるトレーニングでもあります。コーディネーションの能力とは全身をうまく連動させる能力のことで、いわば体の使い方のうまさのことです。
スポーツにおいて上半身だけ、下半身だけで行う動作はほとんどないため、あらゆるスポーツでコーディネーション能力は非常に重要なのです。クイックリフトでコーディネーション能力を高めることで、スポーツの動作でもうまく全身を使えるようになります。
パワークリーンのやり方
クイックリフトの中でもスポーツ選手の間で広く取り入れられている、パワークリーン(ハイクリーン)のやり方について解説します。正しいフォームの習得がかなり難しい種目なので、初めは出来れば上級者の人に指導してもらうようにしましょう。
動作は0:40付近~
(1)セット
脚を肩幅程度に開き、腕の幅はそれよりやや広めに取る。
(2)ファーストプル
背筋を伸ばして胸を張り、脚に沿わせてバーを引き上げる。
(3)セカンドプル
バーが膝を通過する辺りで地面を強く蹴り、その反動で一気にバーを肩の高さまで引き上げる。
(4)キャッチ
肘を前に突き出すようにして手首を返し、バーを肩の前に乗せる。
フォームのポイント
一番のポイントは、背中と脚の力を使って一気に引き上げることです。バーが膝を通過し地面を蹴るその瞬間に力を爆発させます(このとき身体は浮き上がり軽くジャンプする感じになる)。
動画を見ると一見腕で引き上げてるように見えるかも知れませんが、実際は腕にはほとんど力は入っていません。腕はけん玉の糸のように最初はダランと伸びていて、引き上げ始める瞬間に糸(腕)がピンと張って力が入り、引き上げている最中は弛んでいるようなイメージです。
キャッチの時はバーを握り込まず、指先で引っ掛けるようにします。バーを握り込んでしまうと、その分肘を突き出し上体を起こさねばならず、腰を痛めるフォームになってしまいます。
挙上回数
4~6回程度上がる重さで3~5セット行いましょう。筋肥大目的のトレーニングは10RM程度で行いますが、クイックリフトのように瞬発力を鍛える種目では4~6RM程度の高負荷低回数のトレーニングを行います。
しかしいきなり高重量を扱うのは難しいので、初めはバーのみで練習してフォームが安定してきたら徐々に重量を増やすのが良いでしょう。
まとめ
『BIG3で身体の土台を作り、クイックリフトで出力を上げる』というのがスポーツ選手の筋トレの王道です。クイックリフトはフォームの習得に時間はかかりますが、瞬発力とコーディネーション能力を高めてくれる素晴らしい種目なので、是非取り入れてみて下さい。