プライオメトリクスとは、筋肉の伸張反射を利用して爆発的筋力を発揮するためのトレーニング法で、多くのスポーツ選手が取り入れています。
普段の筋トレで付けた筋肉をスポーツに活かすために有効なトレーニング法です。
目次
プライオメトリクスとは
筋肉は急激に引き伸ばされると、神経がそれを感知して反射的に縮もうとします。これを伸張反射と呼びますが、この伸張反射を利用して「筋収縮速度」を限界まで引き出そうというのがプライオメトリクスです。
筋肉は伸張反射を利用することで、弛緩した状態から収縮する場合よりも爆発的な筋力を発揮出来ます。ジャンプするとき一回しゃがんでから跳んだ方が高く飛べるのは、伸張反射を利用しているからです。
伸張反射における筋肉の収縮速度は神経の反応速度で決まるため、この神経を刺激することでその収縮速度を向上(=瞬発力を向上)させることが出来ます。
プライオメトリクスの効果
プライオメトリクスで鍛えられる瞬発力は「速く走る」、「高く飛ぶ」、「遠くに投げる」といったスポーツ全般に必要とされる力です。具体例を挙げると
- ラグビーのタックル
- 野球のスイング
- テニスのサーブ
- バスケットのジャンプ
これらは全て瞬発力が必要な動作です。プライオメトリクスはこういった瞬発力が必要な動作全てを強化してくれます。
プライオメトリクスの種目例
プライオメトリクスの具体的なトレーニング方法をいくつか紹介します。
タックジャンプ
【やり方】
- 脚を肩幅に開いて立つ
- 両膝を胸に近づけるようにして高くジャンプする
- 足の接地時間が出来るだけ短くなるように跳ぶ
【回数】
5秒間×3~5セット、インターバル1分程度で行う。
【ポイント】
5秒間で全力を出し切るようにする。
バウンディング
【やり方】
- 足を前後に開きやや前傾姿勢を取る
- 前方へ向かって片足ずつジャンプする
【回数】
5秒間×3~5セット、インターバル1分程度で行う。
【ポイント】
足の裏全体を使って、ボールがバウンドするようなイメージで行う
プッシュアップジャンプ
【やり方】
- 通常のプッシュアップと同じように上体を沈める
- 腕を勢いよく伸ばしジャンプする
【回数】
5秒間×3~5セット、インターバル1分程度で行う。
【ポイント】
手の接地時間が短くなるようにする。ベンチプレスの後などに胸の追い込み種目として行っても効果的。
プライオメトリクスの注意点
プライオメトリクスは瞬発力を鍛えるのに非常に効果的なトレーニング法ですが、同時に筋肉や腱への負担が大きいトレーニング法でもあります。通常の筋トレと同じく、頻度は一つの部位に対し週2回程度に留めるのが良いでしょう。
まとめ
プライオメトリクスで筋収縮速度を最大限に引き出すことで、スポーツのパフォーマンスはもちろん向上します。しかし、ベースとなる筋力は筋肥大によって向上するので、筋トレと並行して行うことが大切です。
プライオメトリクスのトレーニングはほとんどが器具無しで出来るので、今までやってなかった方は是非アップや練習後などに取り入れてみて下さい。