初心者の頃は身体の反応が良いので、とりあえずたくさん食べて筋トレしていれば勝手に筋肉が付いていきます。しかし、中級者ぐらいになってくると、筋肉の付くペースも落ち着いてくるので、ただ量を食べまくるだけの食事をしていては脂肪が付きすぎてしまいます。
初心者期間を過ぎたら、今度は食事の「バランス」と「質」にも目を向けてみましょう。
3大栄養素のバランス
これまでは初心者向けに「摂取カロリー」と「タンパク質摂取量」のみを強調してきましたが、中級者以上であれば「3大栄養素全体のバランス」にもこだわっていきましょう。
タンパク質は体重×2.3g以上、脂質は摂取カロリー10~20%、炭水化物は摂取カロリーの残り分、というのが理想のバランスです。
- タンパク質(P)= 体重×2.3g以上
- 脂質(F)= 10~20%
- 炭水化物(C)= 全体から脂質とタンパク質を差し引いた分
※タンパク質と炭水化物は1g=4kcal、脂質は1g=9kcal
例)体重70kgの人の場合、除脂肪体重60kgの人の場合
今回は中級者ということで、極力脂肪を付けずに増量したい場合を想定して、摂取カロリーは「除脂肪体重×40g」で計算してみます。
目標摂取カロリー = 60 × 40 = 2400kcal
P = 70 × 2.3 = 約160g
160 × 4 = 640kcal
F = 2400 × 0.1~0.2 = 240~480kcal
240~480 ÷ 9 = 約27~53g
C = 2400 – 640 – (240~480) = 1280~1520kcal
1280~1520 ÷ 4 = 320~380g
割と簡単な計算で必要量を算出することができました。「除脂肪体重×40kcal」というのはあくまで目安なので、実際には体重の増え具合を見ながら調整が必要です。
トレーニング日は、トレーニング中~後の炭水化物の摂取量を増やして300~500kcal程度多めにカロリーを摂るようにしましょう。
3大栄養素の質
三大栄養素の量とバランスが確保できたら、今度はその「質」にもこだわってみましょう。
タンパク質
卵・肉・魚などの動物性タンパク質を中心に摂取します。トレーニング後にはホエイプロテインやEAA(必須アミノ酸)など吸収の速いものを、就寝前には赤身の肉やカゼインプロテインのように吸収の遅いものを摂りましょう。
脂質
魚、ナッツ類など不飽和脂肪酸を多く含む食材を中心に摂りましょう。特に魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は重要で、筋肉のインスリン感受性を高めて筋肉に栄養を行き届きやすくしてくれる働きがあります。
普段魚を食べない人には「フィッシュオイル」のサプリメントがおすすめです。普段の食事で不足しがちなオメガ3脂肪酸を手軽に摂ることができます。
炭水化物
普段の食事は、ブロッコリーやアスパラガス、玄米など低GIの炭水化物を中心に摂りたいところです。GIとは食品ごとの血糖値の上がりやすさを表す指標のことで、GI値の高い食品ほど太りやすいということになります。
ただしトレーニング後に限っては、枯渇したグリコーゲンを補充するために高GIの炭水化物の摂取が望まれます。
極力脂肪を付けずに増量したい場合は、普段の食事では低GIのブロッコリーなどを中心に摂取し、白米のように比較的高GIの食品はトレーニング後に集中的に食べるようにした方が良いでしょう。
まとめ
中級者のバルクアップはいかに無駄な脂肪を付けずに増量していくかが鍵となります。
まずはカロリーとタンパク質の必要量を満たすことが筋肉を付けるための最低条件ですが、それができるようになったら三大栄養素の「バランス」と「質」にもこだわってみましょう。